開界録2019

ぼくの生きている実人生に架けられている「謎」を知ることから、一人で闘う階級闘争へ。

本を読む人たち

久しぶりの投稿になる。こんなに空けてしまったことはこれまでなかったと思う。前回が8月19日だから2週間ぶりになる。ここのところアクセスが減っていてどこまで減り続けるのか見てたところもある。ほとんど誰も見ていないブログを書き続ける意味はあるのかと思ってしまうが、書くという作業には自分の気力を保つ働きがあるのだろう。今日書こうと思ったのは、充実した時間は一瞬ではあるが人生に潤いを与えることが実感された、泉野図書館のひと時を記録しておきたいと思ったからだ。金沢にはいくつかの市立図書館があるが、いずれも有能な建築家の設計になっていて泉野図書館も半地下の隠れ家的な部屋がある。出入り口は1階の総合カウンター近くのらせん階段だけとなっている。ぼくはカウンターに借りた本を返した後、ふらっと降りていくことがよくある。その日も午後の居眠りしたくなる時間帯で、ぼくがそのソファーに座った時には男性一人が座って本を読んでいただけだった。近くの書架から城山三郎のエッセイ集「仕事と人生」を取ってきて最初の章を読んだ。偶然手に取ったにしては面白く1章分は読み通した。次に若い作家のものを読みたくなって、柴崎友香の「週末カミング」という短編集を見つけて読み出した。神戸の三宮かどこかの書店がNHKの72時間ドキュメントみたいな感じで描かれていた。それも面白かったので借りることにした。思わず手にした二冊を読みふけってふと周りを見渡すと8人ほどに増えていた。その時のそれぞれ本に読みふける人たちの「充実した時間」が珍しく貴重な日常に思えた。